屋根の工事費用は勾配(傾斜角度)によって変わる
投稿日:2019年5月14日 更新日:2023年12月30日
屋根は形や傾斜が建物一棟一棟違います。
こういった違いは、建物の間取りや立地条件、法律の制約などで影響されます。
屋根の傾斜は、専門用語で屋根勾配と呼んでいます。
屋根勾配の違いで施工環境、対応する屋根材、工事費用などが異なります。
屋根工事を行う上で、屋根勾配の理解を深めておくとスムーズに屋根工事を行えますので、ぜひ本記事でご紹介するポイントを押さえておきましょう!
1.屋根の勾配とは
屋根勾配は、寸や尺など日本で昔から用いられている尺貫法で表されています。
尺貫法は今だとあまり馴染みがないかもしれませんが、建築業界ではまだまだ現役に使われています!
上記の図は屋根勾配を表すものです。
これは水平方向に伸びてどれくらい上がるかを表しているもので、例えば2寸勾配なら水平方向に10寸伸び、2寸上がる構造、つまり2寸勾配の屋根を表現しています。
屋根勾配を大別すると「急勾配」と「緩勾配」に分けられます。
一般的に「急勾配」は6寸勾配以上の屋根、「緩勾配」は3寸勾配以下の屋根とされています。
勾配によってこちらのメリット・デメリットがあることも着目しておきましょう。
◎ 急勾配の屋根のメリット・・・雨水が流れやすく、雨漏りしにくい(雨水が屋根に残らないため)
▲ 急勾配の屋根のデメリット・・・風の影響を受けやすく、自身に弱い。工事費が掛かる。
◎ 緩勾配の屋根のメリット・・・風の影響を受けにくい。施工が容易でコストも抑えられる。
▲ 緩勾配の屋根のデメリット・・・水捌けが悪く、雨漏りのリスクも高い。対応する屋根材が限定される。
屋根勾配の留意点に「屋根材の対応」があります。
勾配の違いで対応できる屋根材と対応できない屋根材がありますので、屋根材を選ぶときは対応勾配に注意しておきましょう。
2.屋根の勾配が見積にどう影響するか
日本の住宅に多いのが3〜5寸勾配の屋根です。ちなみに3〜5寸勾配の屋根を「並勾配」と呼びます。
屋根勾配で注意しなければならないのが急勾配屋根のお家です。急勾配屋根を持つお家は、屋根工事をする際に屋根足場を設置する必要があります。
詳しくは後述しますが、通常の足場にプラスして屋根足場を設置するため、相場よりも工事費が掛かる傾向です。
工事をするときは、複数の業者に見積もり依頼するかと思いますが、工事費の違いでよく見られる要因が、この屋根勾配の計算であることが多いですね。
また、急勾配屋根のように施工環境も影響してきますので、より条件が悪いほど工事費も加算されるケースも多々あります。
少し専門的な内容になりますが、こういったことを知っておけば、見積もりの違いや曖昧な業者の手口というものが見えてきます。
3.屋根勾配が屋根工事に関わること
屋根工事を行う上で屋根勾配がどんなことに影響してくるかお伝えします。
屋根勾配に関わることは、こちらの2つです。
・屋根足場の有無
・対応する屋根材
上記のことについて以下に具体的に解説いたします。
【急勾配屋根は屋根足場の設置が必要】
急勾配屋根は足への負担が大きいため、屋根足場を設置する必要があります。
屋根足場とは、屋根の上に設置する足場のことです。
通常の足場に加えて屋根足場を設置するため、足場に掛かる費用が相場よりも高くなります。
足場は設置すればそれ以上費用が加算されることはありませんので、足場代の節約のために、このタイミングで高所作業となる工事もご一緒に行うことをおすすめします。
足場代の節約についてはこちらの「屋根が外壁はセットがお得」をご覧ください。
【屋根材の勾配表】
屋根材はスレート、金属屋根、瓦、アスファルトシングルなどがあります。
各屋根材それぞれ対応する勾配があります。
勾配制限がありますので、現在の屋根に対応する屋根材を選ばなければなりません。
とくに緩勾配屋根は対応する屋根材が限定されますので、屋根材選定の際は対応勾配にご注意ください。
以下に屋根材ごとの勾配対応表を記載します(メーカーごとに対応する勾配が異なります。詳しくはメーカーの仕様書をご確認ください)。
【屋根材】 | 【対応勾配】 |
スレート(コロニアル) |
3寸勾配以上 |
ガルバリウム鋼板 | 2.5寸勾配以上 |
瓦棒屋根 | 1.5寸勾配以上 |
立平葺き | 0.5寸勾配以上 |
瓦屋根 | 4寸勾配以上 |
アスファルトシングル | 3.5寸勾配以上 |
【屋根工事なら西武建装におまかせください!】
いかがでしたか?
屋根の傾斜のことを屋根勾配と呼び、建物によって勾配が異なります。
屋根は見えにくい部分なので、詳しいことは専門業者による診断が必要です。
西武建装は無料で建物診断を実施しておりますので、屋根のことで気になることがございましたらお気軽にご相談ください。
診断後は、屋根の状態や必要な工事など、お客様のご要望に沿って最適なプランをご提案させていただきます。
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